2006/05/26

法人相手のマーケティング

2週間ぶりに書きます。その間、過程としてはまあまあ(70点くらいかな?)、結果は後から表れれば良いし(言い訳?)

と、独り言はともかく、前回の続き。
日本という国はとにかく贅沢な国で、誰もがモノに満たされた挙句、格差拡大だ何だという。 
格差? 年収300万円の負け組? 世界70億人のうち、年収1万ドル稼げてる『恵まれた人』がいったい何%いるか知ってて『下流』と言ってるんだ?
日本人というのは、世界全体ではずいぶん恵まれているはずだ。

モノは満ち、精神に満たされていないのが、今の日本人。
『共感できるか』
『日常よりもレベルの高い時間をすごせるか』
とかの判断基準で動くようになる。
その判断のために、信頼する相手のクチコミを信頼する。
それが、消費者向けのマーケティングの世界です。
というのが、前回の話。

会社相手の場合・・・
相手は組織=上司の顔色を伺うサラリーマンなので、
「次回の鉄鉱石の調達先は共感した相手に変えます、3%値上がりするけど」
とは言えない。
「新しい鉄鉱石は3%高いですが、不良品が少ないし、必要なときに必要な量をくれるので在庫コストが圧縮できて、トータルでは5%オトクです!」
とか理屈をつける必要がある。

とはいえ、サラリーマンも人間なので、共感した相手には、何か『言い訳』をつけてでも買いたくなる。

その『言い訳』にあたるものの1つが、『導入事例』であると思う。
結局、消費者向けマーケティングの『クチコミ』と、法人向けでの『事例』とは、同じ効果があるような気がする。

ただ、法人向けの場合、あくまでも主役は営業。マーケティングは、営業マンをちょっと助けるくらいの役割しかできないケースは多い・・・
それでも、何か、圧倒的なマーケティング術を追求したい自分もいたり。
 

2006/05/13

クチコミュニティ・マーケティング

連休に読んだ本の紹介2

クチコミュニティ・マーケティング2-実践編 (日野 佳恵子)

2003年の本だけど、時代は着実にこの方向に動いている。流行り廃りの早い消費者マーケティングの分野だけど、古典としての価値があると思う。

『クチコミュニティ・マーケティング』 とは

  • 大量広告は『商品の存在』を認知させる。CMが大量に流れている、サラ金や缶コーヒーやビールなど、衝動買いする類の軽い商品なら、それだけでOK。
  • しかし、消費者は本当に重要なものは、『クチコミ』で確かめないと買わない。『信頼できる相手』と接触し、対話する中ではじめて、『購買する動機』が高まる。
  • そんな『クチコミの市場』で勝ち抜くための1つのカギは、明確な理念。会社も商品も、理念によってオンリーワンな存在になり、クチコミという厳しいハードルに耐えられる。

というもの。

実際僕も、重要なものを買ったり調べたりする時には、AMAZON, 価格ドットコム、教えてGoo(旧OK-Web)、などのネットの書き込みはチェックするし、電気製品ならビックカメラの店員さんと結構おしゃべりするし。本の内容は教科書的に正しい

さらにこの本の特徴は、「女時(めどき)」、「接触→対話→記憶」、「心のマーケティング」、「一本立てる」、など、わかりやすいコンセプトが満載。そして、これらは全て、豊富な現場の事例から編み出されたものであるということ。体験から語った本は、『共感』できる。情報過多な時代にあって、共感って強い。前の渋井真帆の本と同じ。

ただ、僕が担当するのは、法人相手の商売が多い。クチコミって効きにくいのだ。

(知人ブログ記事を紹介) 法人営業でクチコミをあてにしてはいけない

で、どうするか?

前のIT企業のころから、その打開策として考えたのが、『事例』 と 『物語』。

誰かが、「私は当時こんな悩みを抱えていました。でもある日これに出会い、これこれの結果、解決の方向に向かっています・・・」 と、自分の物語を語る。人はそうゆうものに共感するのだ。

で。

この続きは、後日・・・。

2006/05/07

男社会の企業、女主導の市場。

連休は山と田んぼの田舎で1週間のーんびり。








小学生のときから結構な数の本を読んできた町立図書館で、何冊か借りて読む。
その1つが、「稼ぎ力」ルネッサンスプロジェクト 稼ぎ力養成講座Episode1 

著者はカリスマ・キャリア・アドバイザー渋井真帆。 以前、丸の内OAZOでたまたまセミナー前の場面に出くわし、「なんだこの熱気は?」と驚いて、立ち読みしてさらに驚いて以来、注目の人。

この本は、寿退社に逃げ込んだダメダメちゃんな元OLが、女性企業家へと変身していく、21世紀のシンデレラストーリー。
すごいところは、シナリオ設定の巧さ・・・


  • 最初の超ダメダメちゃんぶり。それを、意欲能力は高いがくすぶってる銀行員の夫が教育してゆく、という、女性読者共感間違いなしの入り。
  • 真ん中が普通の自己啓発の話。読者を巻き込むわかりやすい説明スキルが光る
  • 最後、シンデレラへ変身する瞬間が、ジェットコースターの如く展開していきます。こんなこと本当にあるの?的な驚きに打たれてください。
 



僕が就職してぼーとしてた氷河期真っ只中、この東京のどこかで進行していた1つの物語、でもある。

バブル後の不況というのは、一面、目標追求型で男社会の日本企業が、感性重視の女性的な成熟市場に真剣に取り組むことに迫られはじめた時代、ともいえる。
この男女ギャップはそう簡単に解消できず、経沢香保子、日野佳恵子など、女性らしさを前面に出すタイプの起業家を産み出したともいえる。

と理屈はともかく、読者を巻き込む共感型の説明スキルは学ばないと。

以前、決算書まわりの教育の案件を担当したときには、あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編 を結構参考にしました。